カジノとパチンコの論理学 

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

著作権・免責事項・コメント欄について

著作権について

当ブログの文章は引用している文章は引用元の著作権、その他の文章にはすべて場口重の著作権が設定されています。

・当ブログからの転載は全てお断りしています。
・当ブログから引用する場合は引用元を明示し、引用した文章を区分し、ご自身の作成した文章を主としてその従として引用するなど著作権法等に基づいた方法でなさってください。
・正当な引用を主張するにはご自身の独自の文章が内容・分量ともに引用した文章を上回る必要があり、ブログの記事や掲示板のレス等で使用する際に引用した文章が主体でご自身の短いコメントを添えた用法等は著作権法に違反しています。
・引用は必要の範囲でなさってください。慣例を超えた過度の長文は引用として認められていません。
・当ブログを個人で利用されるのは構いませんが、文章の一部を印刷または保存・送信して、友人・同僚間等で共有する行為は著作権法に違反しています。当ブログの内容を第三者に紹介したい場合は、その人物に直接当ブログにアクセスしていただいてください。
・その他、著作権の扱いの詳細については関連法規をご参照ください。

著作権の違反に対して、悪質なものについては法的対処等を執る場合があります。



免責事項

当ブログに掲載している情報について、内容の判断はご自身の責任で行ってください。

・当ブログに記載している内容のうち事実として述べている事項は、基本的に公になっている情報を用いるなど正確性について万全を期しておりますが、正確性を保証するものではありません。
・当ブログに掲載している内容のうち分析や見通しとして述べている事項は、筆者の蓄積した情報を元にした私的なもので、異論のある見解も含まれています。

当ブログの情報等から派生したいかなる損失・損害等につきましても、一切の責任を負うものではありませんので予めご了承ください。



コメント欄について

当ブログでは、各記事にコメント欄を設けております。

・読者の方から寄せられたコメントのうち一部を公開していますが、公開の判断は管理人が独自に行っており、特段の理由なしに公開しない場合があります。予めご了承ください。
・筆者によるコメントの返信についても一部に限らせて頂いております。返信する場合も、記事本編の執筆を優先としているほか筆者の都合により時間がかかる場合があります。
・コメント欄にはFC2社のフィルタがかけられています。これはスパム対策のもので、禁止ワードとして登録された表現が含まれたコメントは投稿できません。






関連記事

2010年を振り返って

今年の春先、知人の絵の展覧会に行ってきました。
絵とは面白いものですね。
同じ題材で描かれたものでも二つとして同じものはありません。

私がその頃に書いた一枚の絵。
気が焦っていたのかバランスを欠いていて、破ってしまおうかとも思ったものの、細部は丁寧に書いたので捨てずに引出しにしまっています。

数年前、ゴッホのひまわりの絵を見に行きました。
同じ作者、同じ題材であってもそれぞれ作品は色彩や筆遣いに特色があり、受ける印象も違ったものとなります。
見る側も同様で、一人でじっくり見る人、絵の鮮やかさを子供に語る父親、絵はそっちのけで恋人の表情ばかり覗く人など、同じ絵を見ても違うもののように映るのかもしれません。


私がこのブログで掲載している記事はカジノやパチンコについての一面を描いたものであり、読者の方の読み方も千差万別だと思います。
パチンコ業界に従事して業界の発展を願う方と、パチンコに大金を費やし破産した方のご家族とでは、見方が違って当然です。

ブログではパチンコ業界について厳しい見方も書いていますが、業界内部の方の業界を擁護する見方を否定するつもりはありません。
それぞれの方が、それぞれの見方をすればいいのだと思います。
ただ、カジノやパチンコを取り巻く状況は来年にも急激に動く可能性があり、その時には世論がどう動くかが鍵となるのかもしれません。


ブログではカジノとパチンコを取り巻く状況を見る上で、政治の動きを重視してきました。
民主党の娯楽産業健全育成研究会についての記事は、100点以上の各種資料、あるいは数百点に及ぶのかもしれませんが、それらを改めて読み直して整理したものを元にしています。
当初は一つの記事で小さくまとめるつもりでしたが、備忘録も兼ねて書き連ねたところ大変長い連載記事になってしまいました。

また、今年はカジノとパチンコを巡る政治の動きについて、予測記事をいくつか書いてみました。
振り返って読み直してみると外れている部分もありますが、自民党がカジノ解禁、民主党がパチンコの換金合法化をそれぞれ重視しているという構図は執筆当初よりも鮮明になってきているので、及第点は超えていると考えています。
その時々の出来事に合わせて予測を立てたものですが、いくつかの記事を合わせて読んでいただければ、国政でどのようなことが考えられているのか分かるようになっていると思います。
ただし、政治の混迷が私の予想を大きく上回っていたことも事実で、今後も波乱要因となる可能性も高いのかもしれません。

来年は、政治の動き以外の論点についても取り上げていく予定で、大まかな構図を元にスケッチが出来上がっている部分もあります。
ただ、いつも仕上げに気を遣っているので、更新の頻度については分かりませんが。

今後も、「カジノとパチンコの論理学」ブログを宜しくお願いいたします。

場口 重
関連記事

2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案2

2010年12月16日、カジノ合法化を目指す「国際観光産業振興議員連盟」(超党派カジノ議連)の総会において、次期通常国会へのカジノ法案提出の表明が改めてなされ、いよいよ法案提出間近の情勢となってきました。
当ブログでは前回の記事で、カジノ合法化に関して現在までの経緯を述べるとともに、2011年の動向について予測しました。
(詳しくはこちら 2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案1

今回は、民主党や業界側がカジノ合法化と合わせて進めようとしている、「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案・遊技業法案)「日本遊技機型式検定機構」(検定機構・第二保通協)、その他の規制緩和の取り組みについて取り上げ今後の動向を予測します。


パチンコ法案の今後の予測

・警察庁から経済産業省への移管等の規制緩和が盛り込まれたパチンコ法案は、民主党は単独でカジノ法案と同時の国会提出を目指していますが、同時決着となるかは微妙な情勢です。
・社民党の連立復帰や公明党との連立組み替えなどで政権が安定した場合、パチンコ法案は2011年度予算案の成立後、あるいは次の臨時国会において民主党主導でカジノ法案と同時に成立するでしょう。
・政権の基盤が盤石になった場合は更なる規制緩和の為に、パチンコ法案に換金合法化の条文が盛り込まれ、パチンコホールの証券取引所上場が可能になります。
・パチンコ法案が提出できない場合は風営法の改正によって規制緩和が図られますが、国会への法案提出までに1年程度の時間が必要になります。
・内閣法制局長官の国会答弁を制限したため、国家公安委員長の答弁等で現行の風営法の解釈を変更し三店方式を合法とみなすことが可能となりましたが、世論の大きな反発を招くため実現は困難でしょう。
・パチンコ法案にも盛り込まれた遊技機の賭博性を審査する日本遊技機型式検定機構は、国会の情勢に関わらず11年1月から3月頃に認可されるでしょう。
・検定機構の認可から半年程度で試験体制が整うと、即座にパチスロの新機種の賭博性が急激に上昇し、パチンコは時間をかけて徐々に上昇します。
・パチンコ法案の成立あるいは検定機構の認可から1年程で、1日の最高換金額が100万円を超える、パチスロ爆裂機と同等あるいはそれ以上の賭博性を備えた遊技機が登場するでしょう。
・法案提出が見送られた場合でも今後1年以内に、菅政権あるいは民主党内部からパチンコホールの上場を認めるように、証券取引所へ圧力をかける動きが明らかになる可能性があります。
・ただし、カジノやパチンコの動きに報道等の注目が集まりパチンコを問題視する世論が形成されると、これらの動きは鈍くなります。



パチンコ法案の経緯

民主党は98年の結党翌年の99年に、議員連盟である「娯楽産業健全育成研究会」(娯楽研)を結成し、換金合法化などパチンコ業界の規制緩和に向けて活動してきました。

05年には、換金合法化を盛り込んだ「遊技場営業の規制及び業務の適正化等に関する法律」(旧パチンコ法案)を策定して、カジノ法案と同時に国会へ提出する方針を定めます。
しかし、小泉政権下の郵政民営化問題に伴う衆議院解散で大きく民主党議員の議席を減らしたことにより活動が再度停滞し、法案提出は見送られます。

その後、07年の安倍政権下の参議院選挙で民主党が勝利したことで活動が活発化し、09年の衆議院総選挙で圧勝し政権交代を果たしたことで民主党が国会での主導権を握ります。
10年6月に、今度は一部監督権限を警察庁から経済産業省に移管することを盛り込んだ「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案)をまとめ、国会での法案成立を目指しています。

「娯楽産業健全育成研究会」と「遊技業に関する法律案」については、当ブログの過去の記事で詳細に論じていますので、興味のある方は以下の記事などを参照してください。

民主党のパチンコ換金合法化1 娯楽研のメンバーの名簿と目的
民主党遊技業に関する法律案1 原案の概要とその背景
(※本ページ横の右メニューにも、多くの関連記事へのリンクがあります)


日本遊技機型式検定機構

10年のパチンコ法案において、経済産業省への監督権限の移転と並んで規制緩和の目玉として法案に盛り込まれたものが、遊技機の賭博性の性能を審査する「型式検定試験」の民間開放です。

型式検定は高い公益性が求められる性質のものであるため、本来は警察庁及び都道府県警などが自ら行うべき性質のものでありますが、遊技機の電子化によって高い専門性と多様な試験項目が求められ現在は他の団体に委託されています。
財団法人の「保安電子通信技術協会」(保通協)が型式検定を行う機関として唯一の指定を受けており、規制の穴だらけの風営法を補うため警察庁が影響力を保持しています。
従来よりパチンコ業界側は店の売上上昇に寄与する賭博性の高い遊技機を望んでおり、不正改造の蔓延や依存症の拡大を防止する目的でそのような遊技機を制限する警察庁とは型式検定を巡って対立してきました。

パチンコ法案と同時進行で準備が進められてきた「日本遊技機型式検定機構」(検定機構)は、第二保通協として型式検定の一部を担うことを目的として業界側が設立した機関です。
検定機構は保通協の独占の排除による試験料金の低価格化などを謳っていますが、型式検定から警察庁の影響力を低下させ遊技機の性能の自由化を進め賭博性を高める狙いもあります。

娯楽研が11年の通常国会での提出を目指している「遊技業に関する法律案」では、保通協から経済産業省傘下の法人に型式検定を移管する条文が盛り込まれており、検定機構の設立は法案と連動していると見るべきでしょう。
(詳しくはこちら 民主党遊技業に関する法律案6 日本遊技機型式検定機構の設立


規制緩和の選択肢

民主党娯楽研は政権交代から1年経過した現在をパチンコ法案提出の好機とみており、カジノ法案と合わせる形での新法の成立を狙っています。
しかし、民主党は10年夏の参議院選挙で惨敗し、院の過半数を割り込んだため10年末現在の政局は不安定な状態です。
さらに、パチンコ法案は民主党単独で進めてきたものでカジノ法案とは異なり超党派での合意がないため、この政局の煽りを受け提出されるか否か微妙な情勢となっています。
娯楽研はカジノ合法化後のパチンコの規制緩和は困難とみなしており今後もパチンコ法案提出を目指すことになりますが、仮に法案成立が困難であった場合でも次善策として以下の方法などで今後一年以内に業界の規制緩和を講じる可能性が高くなっています。

まず、現在のパチンコ法案が風営法からパチンコ関連の条文を抜き出して一部の文言を改変したものであるため、風営法を改正して規制緩和を達成する方法があります。
この場合、法案に盛り込まれた経済産業省へ権限を移管する件については実現が困難ですが、警察管轄下での規制緩和さらには換金合法化の条文を盛り込むことは可能です。
換金合法化が実現すると、換金の違法性がネックとなっていたパチンコホールの証券取引所への上場が可能となり、資金調達が容易となることでパチンコ店の新規出店が増加します。
ただし、風営法の改正には有識者が名を連ねた諮問会議の答申を得る事が慣例となっており、手続きには一定の時間が必要となります。

次に、新法を制定せず風営法の改正もない場合でも、条文解釈の変更で換金合法化やその他の規制緩和が図られる可能性があります。
警察庁では従来からパチンコの換金のための「三店方式」について合法か違法かという態度を曖昧にしてきましたが、これは業界側への社会問題解決への圧力とする狙いの他に、法務省や内閣法制局に対して合法と押し切ることが出来ない事情も要因となっていました。
07年の山田正彦氏の国会質疑ではこの問題を内閣法制局長官に直接ぶつけ、合法と認めるように強く迫りましたが、法制局は警察庁の判断する問題として言及を避けました。
09年に当時の民主党小沢幹事長により内閣法制局長官の国会答弁禁止の方針が打ち出されたことで、現在は法令解釈における法制局の影響力が大きく削がれており、これを利用して政治主導で換金合法化を打ち出す選択肢が可能になりました。
ただし、解釈変更による換金合法化は明確な根拠を伴うことが困難であるため、世論から大きな反発を受ける可能性が高く、思惑とは逆に後の規制強化につながるおそれがあります。

上述の風営法改正、風営法解釈の変更など規制緩和に向けた選択肢は複数ありますが、刑法の賭博罪との兼ね合いなどで議論がうまく進まない可能性をはらんでいます。
法的な問題がなく圧倒的に実現可能性が高いものは、やはり「日本遊技機型式検定機構」の指定検定機関認定にともなう遊技機の規制緩和となります。
現在は検定機関としての指定を受けるための申請を警察庁に受理された段階で、来年の上旬に認可の可否の結果が示される予定ですが、概ね認可される見通しです。
検定機構が試験機関として認可され保通協の独占が解消されると警察庁の型式検定への影響力が排除され、法令の抜け穴を突いた高い賭博性を備える機種の検定通過が常態化します。
全体として遊技機の賭博性は大幅に上昇してパチンコ業界の景気は上向く一方で、社会問題が急激に悪化することになります。



以上、2回に分けてカジノ法案とパチンコ法案の2つの動きについて2010年末の時点の予測として述べてきましたが、法案を審議する場である国会の政局は混乱を極めています。
次回は、今後の両法案に影響を及ぼす与野党の人物について取り上げます。
関連記事

テーマ : カジノとパチンコ
ジャンル : 政治・経済

2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案1

自民党が中心になって超党派で策定されたカジノ法案も、民主党が単独で策定したパチンコ法案も共に2010年までに大枠が定まり、いよいよ国会に提出される時期を見定める段階にまで進んでいます。

そのため、今回から2回にわたって来年2011年の通常国会以後カジノ法案・パチンコ法案がどのように推移していくか、当ブログとしての予測を立てていきます。
今回は第一弾としてカジノ法案についてこれまでの経緯を踏まえ、今後の動向さらに日本国内に設置されるカジノの特徴について予測します。


カジノ法案の今後の予測

・超党派議連のカジノ法案は、菅内閣の退陣がなく政局が安定すれば、2011年の予算が通過した後の4月から5月、あるいは11年秋の臨時国会に提出されるでしょう。
・関係する規定の策定や監視機関の設置、候補地の選定等の作業により、法案が国会を通過してからカジノの開設までに3年程度の時間が必要となります。
・カジノの設置数は国内総数2、3カ所で、都市部とリゾート地に1カ所づつ大規模な施設、3カ所目が認められる場合は温泉地に小規模な施設となるでしょう。
・3年程度の試行期間を経て、運営に問題がなく更なる需要の見込みがあれば、最大で10カ所程度に拡大します。
・カジノ単体の収益は最大の施設でも年間500億円を上回ることはなく、集客に伴う近隣地域への経済波及効果に重点を置いた開発になります。
・カジノの規制は、不正や脱税・依存症等の社会問題を防止するため厳格な制度となります。
・大阪など一部の地方公共団体で提唱されている特区によるカジノ構想は認められず、カジノ法案成立を見越した誘致活動に一本化されることになるでしょう。
・菅内閣の退陣など大きく政局が動いた場合は半年から1年程度予定が後ろにずれこみますが、合法化の動きが終息することはないでしょう。



これまでの経緯

カジノ合法化の議論は2010年、大きく進みました。

02年から活動を展開してきた自民党の「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」(自民党カジノ議連)は、当時の政府・与党内の議論を経て06年までに法律の基本的枠組みとしての基本方針をまとめました。
しかしそれ以降は相次ぐ首相交代により国会情勢が不安定となり、法案の国会提出時期の見通しが立たず議論が停滞します。

政権交代後半年以上経過した後の10年4月にようやく進展があり、民主党・自民党など主要政党を含む超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(超党派カジノ議連)が結成され、党派の枠を超えてカジノ合法化を進める合意がなされます。
超党派議連ではその後も通常国会会期中から複数の会合を通じて議論を重ね、8月に自民党の基本方針を土台として「特定複合観光施設区域整備法案※」(カジノ法案)の原案(古賀会長私案)を取りまとめ、早期の国会提出を図る合意がなされました。

※カジノ法案の正式名称は「国際競争力のある滞在型観光と地域経済の振興を実現するための特定複合観光施設区域整備法案」といいます。

カジノの解禁にあたっては沖縄振興特別措置法(沖縄特措法)や構造改革特別区域(構造改革特区)のもとで整備すべきとの議論もあります。
しかし、カジノという新たな賭博産業の解禁にあたっては強力な監視機能を持つ監督機関の新設が必須となり、上記の枠組みではそれが困難であるため新法の策定が必要となります。


法律制定後の動き

カジノの候補地は、2010年現在多くの地域が誘致を視野に活動を開始していますが、法律が国会を通過してから3年程度後に試験的に2、3カ所設置され、都市部・リゾート地・温泉地等とそれぞれ特色のある地域に配置されることになるでしょう。
その後更に3年程度後に制度の見直しが行われ、カジノ施設・近隣地域に悪影響がないと判断され更なる需要の見込みがあれば、全国で最大で10カ所程度まで拡大します。

候補地の選定にあたっては自治体の首長や議会の同意を前提として、まず誘致を目指す地方公共団体の策定した開発計画を国が審査しその内容が重視されますが、他にも国内全体でのバランス等も考慮されます。
当初の2、3カ所の設置においては試験的側面から都市型カジノやリゾート型カジノなどタイプ別にそれぞれ1カ所ずつの採用となり、さらに特定の地域に偏らないように配置されることになります。
仮に東京都の都市部が選定されると、開発計画の良し悪しに関わらず施設間の距離の問題で神奈川県での設置は困難になり、同じ都市型カジノという理由で大阪市内の設置も見送られることになるでしょう。


カジノ制度の特徴

カジノの合法化は観光産業の振興を主な目的としています。

これは、国内の違法カジノや韓国・ラスベガス・マカオなどの外国のカジノに流出している日本人客の需要を国内の新たなカジノが吸収し、さらに成長の著しい近隣のアジア各国からの大口の観光客をも国内に取り込む狙いがあります。
そのため、現在のパチンコ業界のように近隣住民が頻繁に施設に通う構造とは異なり、依存症対策も考慮して顧客登録にあたっての審査や高額の入場料・あるいはドレスコードなどの何らかの入場規制が行われる見込みです。

都市型カジノやリゾート地のカジノではカジノ施設本体よりも、宿泊施設や購買施設・飲食施設等への需要創出に重点が置かれ、カジノには周辺地域への集客効果が期待されています。
法案の名称に用いられた「特定複合観光施設」とは、複合型リゾート(IR)すなわち上述の各種施設のほかコンベンション施設(MICE)や劇場等を備えた施設あるいは施設群のことで、観光客が各施設間を回遊することで消費意欲を高める狙いがあります。
既存の観光施設へのダメージを最小化するため、来訪客数の低下に悩む温泉地等での設置にあたっては小規模のカジノ施設の開設のみで新規の宿泊施設・飲食施設等は建設されず、周辺地域の活性化が重視されることになります。

カジノに関する規制は不正や脱税・依存症などの問題を防止するため、厳格な制度となります。

日本国内で違法カジノが多く摘発されパチンコ業界でも不正改造や脱税が蔓延しているため、カジノの開設と同時に行政による監視機関が設立され、カジノ施設内外の常時監視はもちろん売上等各種情報のオンラインでの常時監視もなされます。
また、依存症対策として施設内や近隣地域における銀行ATM等の設置は禁止され、広報活動も海外の大口客向けのものを除き大幅に制限される制度設計がなされています。



カジノ法案についてのこれまでの経緯や内容についての詳細な議論は、今後のブログで扱っていく予定です。

次回は、2011年通常国会以降のパチンコ法案について予測します。
関連記事

テーマ : カジノとパチンコ
ジャンル : 政治・経済

民主党 遊技業に関する法律案6 日本遊技機型式検定機構の設立

民主党の「娯楽産業健全育成研究会」(娯楽研)はパチンコ業界の規制緩和を目的とした、党所属国会議員による議員連盟です。
(詳しくはこちら 民主党のパチンコ換金合法化1 メンバーの名簿と目的
娯楽研は、パチンコ業界の所管を警察庁から経済産業省に移すこと等を盛り込んだ「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案・遊技業法案)を取りまとめ、2011年の国会に提出する方針としています。
(詳しくはこちら 民主党 遊技業に関する法律案1 原案の概要とその背景

前回の記事において、娯楽研の目的のうち経済産業省に所管を移すことと同様に重視されて来た「型式検定」について、制度の概要と警察と業界の賭博性を巡る駆け引きの様子を記しました。
(詳しくはこちら 民主党 遊技業に関する法律案5 型式検定を巡る攻防
今回は、新たに設立された「日本遊技機型式検定機構」(検定機構・第二保通協)について、その設立の経緯と目的について論じていきます。


遊技機(パチンコ・パチスロ)の賭博性(射幸性)を審査する型式検定を巡っては、賭博性の上昇による売上拡大を狙うパチンコ業界側と、賭博性を下降させ不正改造事件や依存症などの社会問題を減らしたい警察側と、双方の思惑が真っ向から対立します。
新たに設置された検定機構は従来の警察主導の検定機関とは対照的に、パチンコ業界出身の人物が主導して設立したもので、この動きに連動した娯楽研の動きも随所に見ることが出来ます。


賭博性上昇の歴史

賭博産業は世界中の多くの先進国においては設置箇所数・設置台数が大幅に制限され、供給が需要を超えることの無いように配慮がなされています。
しかし、パチンコ業界は賭博ではなく遊技であるという建前を取っているため小学校などの保護対象施設近辺での開設が禁止されている程度で総量規制がなく、1店舗当たりの遊技機台数制限もありません。

パチンコ業界では従来から客単価の上昇による売上拡大のために賭博性の強い、すなわち当たりハマリの波の強い機種を要望し続け、行政側から譲歩を引き出し規制の穴を突くなどして一貫して賭博性を高めてきました。
パチンコの歴史を紐解くと、ときに業界の要望により極端に賭博性が上昇することがあり、社会問題がマスコミに取り上げられ、警察が強権を発動して以前より若干上昇した程度に抑えられる、この賭博性の揺り戻しが繰り返されてきました。
具体的に顕著な例を挙げても、古くは1950年代の連発式、80年代のフィーバー機、90年代のCR機、00年代の爆裂機など、枚挙に暇がありません。

賭博性の高い機種の登場を通じて、供給が需要を引っ張る形となり公営賭博から客を奪いながら市場を拡大し、00年頃からは参加人口の減少に伴う売上の減少を高い賭博性による客単価の上昇で補う形で市場規模を維持してきました。


爆裂機の検定取消

この中で登場したパチスロの爆裂機の賭博性は特に抜きんでていて、客が1日に換金額で百万円相当を超えるメダルを手にする例も出たため警察庁に問題視され、03年には一部の機種が異例の検定取消に至りました。
警察庁の規制強化はこれに留まらず蔓延する不正対策も鑑みて、遊技機の基準を定める風営法規則を改正して当時設置されていた全ての遊技機を総入れ替えする強硬策を採ります。
この際にパチスロの賭博性基準が大幅に厳格化され、この改正後の5号機は改正前の4号機とは対照的に売上増加に寄与しないため、パチンコ店側は導入に後ろ向きで入れ替えは思うように進みませんでした。
(※パチスロでは規則改正毎に○号機と番号を振る慣習があり、現在は5号機が普及しています)

4号機から5号機への入れ替えは04年から3年間の経過措置を通じて順次行われ、主力機種が次々と期限を迎えて店から撤去されるにつれて顧客数の低下を招きました。
これによりパチンコホールの倒産・閉店が相次ぎ、中には売上の低下を見越して廃業する店舗も現れ、業界では危機感が一気に高まりました。
業界内部では検定取消に至った機種について、風営法の抜け穴を突いたものとはいえ正規の型式検定を通過した手続きに落ち度は無いとの主張が広まり、警察庁が主導し保通協が独占している検定制度自体に対する反発が強まっていきます。


娯楽研と保通協

民主党の娯楽研では99年の設立以来、遊技機の検定試験を担う財団法人「保安電子通信技術協会」(保通協)の検定試験について問題視してきました。
保通協については従来より情報公開が足りない、検定料金が高い、試験時間が長い、検定受付けの枠が少ない、警察からの天下りが行われている等の問題が指摘され、業界内外から批判を受けてきました。
業界側からの要望も受けた娯楽研はこれらの問題を解決するため、「第二保通協」設置して独占を解消し保通協と競合させるべきとの主張を展開し、警察庁に圧力をかけていきます。

実際に00年4月、11月に娯楽研から国家公安委員長、警察庁生活安全局長に提出された提言書にはそれぞれ始めに保通協の検定の項目があり、これに基づいて行われた00年4月、01年11月の松崎公昭氏の国会質疑でも新たな検定機関を設置すべきとの主張が展開されています。
また、05年に発表した「遊技場経営の規制及び業務の適正化等に関する法律案」においても保通協以外の検定機関を認めて権限を分散化させるべきとの項目が盛り込まれ、07年6月の山田正彦氏の国会質疑でも同じ趣旨の質問がなされています。

10年6月に策定され11年の通常国会に提出される予定の「遊技業に関する法律案」では更に一歩進んで、警察庁傘下の保通協への検定機関の指定を解き経済産業省傘下として新たに設置する法人に移行させる旨の条文が盛り込まれ、第二保通協の必要性を強く示唆する内容になっています。

※詳しくはこちら 民主党のパチンコ換金合法化
 2 石井一会長と警察への圧力
 3 所属議員4人の国会質疑
 4 05年のパチンコ業法の内容
 5 山田正彦氏の国会質疑


日本遊技機型式検定機構の設立

一般社団法人の「日本遊技機型式検定機構」(検定機構)は、パチンコチェーン「玉越」会長(当時)の高木一夫氏の発案によるもので、保通協の独占している型式検定の一部を担う「第二保通協」となる目的で10年1月に設立されました。
同年の5月に、当時の中井洽国家公安委員長に試験機関の指定を受けるための申請書を直接提出し、10月15日に正式に受理されました。
検定機構には設立に向けて先頭に立ってきた高木氏が理事長に就任し、元警察庁関係者や保通協勤務経験のある人物らが理事に名を連ねています。

申請が警察庁に正式に受理されたことで、今後は受理の日付から半年以内に指定検定機関としての認可の可否を警察庁が判断することとなり、そこでは概ね許可される見通しです。
ただし、判断基準である「該当性」と「相当性」のうち、資金や設備などを基準とする該当性は問題ないものの、パチンコ業界関係者が中心となって設立したことで人事や利害関係を基準にする相当性には問題があると判断されことも考えられ、認可が下りない可能性も残っています。
これに対して、高木氏は自身が認可の障害になっている場合は理事長の職を辞する意向を示していますが、辞任によっても氏の影響力を払拭できるか否かは不透明です。


高木一夫氏と娯楽研

検定機構の理事長に就任した高木一夫氏は中部地方にパチンコチェーン店を展開する「玉越」の創業者・前会長で、同社はパチンコ・チェーンストア協会(PCSA)に名を連ねています。
PCSAは娯楽研が作成した05年と10年の2本の業界規制緩和のためのパチンコ法案に対して、業界団体の中で最も前向きに推進している団体です。
高木氏は検定機構の設立にあたって10年4月に玉越の会長を辞任し、パチンコ業界関連の役職からもすべて退いたことを表明しており、同社の経営権などは社長で同氏の夫人でもある高木和美氏に委譲されています。

高木氏は前農林水産大臣で娯楽研副会長の山田正彦氏とは個人的にも懇意であり、山田氏を顧問弁護士として同社に迎えていました。
高木氏と社長の和美氏、同社専務の3名は、07年6月の山田氏の国会質疑の直前の4月に「風営法施行規則の附則の改正を求めることに関する請願」を各1通づつ計3通、山田氏らを紹介議員として衆議院に提出しています。
この請願は5号機への交換についての3年間の経過措置の期限が切れる直前に行われたもので、1年間の期限延長を求めたものです。
これを受けた山田氏の国会質問では、請願の内容はもちろん他にも遊技機の交換に要した費用を国家賠償すべきとの主張や、保通協の問題、さらに三店方式を合法と認めるよう迫るなど娯楽研の従来の主張が多く盛り込まれました。

高木氏と法人としての玉越は政治献金にも熱心で、少なくとも民主党に対して08年6月に80万円、07年4月に60万円、娯楽研名誉会長の石井一氏にも09年5月と08年3月に各60万円、07年7月に300万円、山田氏にも09年3月に54万円の献金を行っています。


検定機構と遊技業法案

検定機構は現状の風営法に基づく「第二保通協」の役割を担う目的の他に、「遊技業に関する法律案」が国会を通過した際は保通協の替わりに検定機関を独占することも見据えたもので、保通協を追い込む為の大手飛車取りの役割が期待されています。

同時に、このパチンコ法案の条文に盛り込まれた第二保通協の役割を法案成立前に具現化することで、業界側からこの法案の国会通過を後押しする狙いもあると見られます。
さらに、与党第一党である民主党の娯楽研の動きと連動していることで警察庁の検定機関認可への圧力をも高め、国会の政局の混乱が悪化して法案提出が遅れても検定機構の認可だけは確実に実施させるようにしていると見るべきでしょう。


検定機構認可の効果

警察庁による検定機構の指定検定機関としての認可の可否の判断で、認可が下りた場合は現行の風営法下においてもパチンコ業界に大きな変化をもたらします。
検定機構は当面は保通協が担っている検定業務の内1割から2割程度を担当するという旨を表明していますが、保通協の行う残りの検定全体にも大きな影響を及ぼすことになります。

まずメリットとして、検定機構の記者会見でも謳われた検定料金の定額化、検定期間の短縮化が進み、さらに検定項目も簡素化される方向に向かうでしょう。
また保通協での情報公開を後押しし、パチンコ・パチスロメーカーの開発の自由度が広がることになります。
その反面でデメリットとして、検定機構のみならず保通協の検定についても予算・時間の制約が強くなり、検定の精度が全体的に劣化することになります。
ちょうど05年に発覚した耐震偽装問題の構図と重なる形となり、地震で倒壊する可能性の高い建築物が検査を通過したように、社会問題を引き起こす恐れの強い賭博性の高い遊技機が検定を通過し易くなるでしょう。

情報公開が進むことにより保通協の裁量が制約され、風営法の穴を突いた新たな問題に柔軟に対処することが出来なくなり、結果として問題の多い賭博性の高い遊技機が検定を通過し易くなります。
高い売り上げが見込める法令上の違法ぎりぎりの遊技機は基準を元に杓子定規の試験を行う検定機構に持ち込まれることとなり、警察庁の保通協への影響力も逓減して不正や依存症などの社会問題は現在よりも悪化することになるでしょう。

さらに娯楽研のパチンコ法案が国会を通過して検定機構が唯一の検定機関となった場合は、賭博性を問題視する警察庁の制約からパチンコ業界が完全に解放されることになります。



以上のように、民主党娯楽研の「遊技業に関する法律案」と「日本遊技機型式検定機構」は、密接に絡みながらパチンコ業界の規制緩和に向けて進められていますが、現在の政局は混迷を極めています。

次回は、菅政権や与野党で今後カジノ法案・パチンコ法案と関わっていく可能性のある人物について改めて分析し、2011年のカジノ・パチンコ法案がどのように推移していくかを予測します。
関連記事

テーマ : カジノとパチンコ
ジャンル : 政治・経済

プロフィール

場口 重

Author:場口 重

新着記事
目次
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
FC2カウンター
RSSフィード
目次
ホームへ戻る
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。