カジノとパチンコの論理学 若宮健氏への抗議とPOKKA吉田氏の新書

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若宮健氏への抗議とPOKKA吉田氏の新書

昨年末から今月にかけて、パチンコ業界内外で注目を集めている二冊の新書があります。
若宮健氏「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」(祥伝社新書)とPOKKA吉田氏「パチンコがなくなる日」(主婦の友新書)です。
若宮氏の本は結果として当ブログも関係することになったのでその報告も含め、今回はこれらの二冊の本について、当ブログとしての見解を述べていきます。


若宮健氏「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」(祥伝社新書)

若宮氏は以前にも韓国へ自ら訪問しパチンコ廃止の動きをまとめて出版されるなど、その活動に定評のある人物です。
韓国の動きは日本のマスコミでは報道が一切なされていないそうで、今回も取材のため韓国に滞在して政府の担当官と意見交換をするなど、ご自身の経験を元に執筆されています。
ただ残念なことに、今回の本の韓国以外の内容については、当ブログ管理人・場口の見解とは異なる記述が何点かありました。

若宮氏はこの書籍の中で「パチンコと政治」という切り口で「パチンコチェーンストア協会」(PCSA)「政治分野アドバイザー」に名を連ねている国会議員を「パチンコ族議員」として糾弾しています。
しかし、このアドバイザーにはそもそも議員連盟のような活動は確認できず、カジノの合法化に熱心という理由でPCSAの勉強会に招聘され、パチンコの現状に苦言を呈した議員も含まれています。
実際に「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」(自民党カジノ議連)をまとめてきた岩屋毅衆議院議員はPCSA政治分野アドバイザーの一員ですが、PCSAの08年の会合でパチンコを軽度のギャンブルと位置付けて、パチンコ税を創設するか換金を禁止するかの二択しかないと迫っています。
(詳しくはこちら 民主党のパチンコ換金合法化8 カジノ法案とパチンコ法案の同時成立

場口の個人的な見解としては、アドバイザーの中には確かにパチンコ業界との繋がりが強い議員が名前を連ねていることは事実ですが、カジノ合法化を重視してパチンコの在り方に疑問を持っている議員も多く、それを一緒くたに「族議員」と批判することは適切ではないと考えています。
また、PCSAのホームページに掲載されている議員名簿自体の信憑性にも問題があり、例えば鹿野道彦氏は現在は農林水産大臣であるのにもかかわらず民主党副代表と明記されるなど、明らかな誤記も目立ちます。

当ブログでは以上の理由などにより「パチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザー」については今まで取り上げてきませんでしたし、今後も特段に取り上げる必要はないと考えています。

なお、残念ながら若宮氏の当該図書において、当ブログの著作権が設定されている文章が無断引用されてしまいました。
当ブログでは場口がまとめた民主党の「娯楽産業健全育成研究会」(娯楽研)の目的をまとめたものを掲載しており、その部分を若宮氏が民主党の公式の文言であると誤解して掲載されたとのことです。
(詳しくはこちら 民主党のパチンコ換金合法化1 民主党娯楽研のメンバーと目的

当方の抗議により若宮氏から謝罪があり、下記の若宮氏のホームページに報告のある通り、問題個所が訂正される形で七刷から改訂がなされました。
若宮健氏のホームページ
http://www.wakamiyaken.jp/
上記ホームページ内の謝罪文(2011年1月24日付)
http://www.wakamiyaken.jp/news/topics.cgi

この問題ではフリー百科事典「ウィキペディア」からの著作権侵害が発端となったとのことで、著作権者としてウィキペディアに対して当該ページの削除を要請するつもりです。


POKKA吉田氏「パチンコがなくなる日」(主婦の友新書)

POKKA吉田氏は著名な「ぱちんこ業界コラムニスト」として、執筆・講演活動を重ねるなど大いに活躍されている人物です。
吉田氏はときに舌鋒鋭く業界を批判され、場口も大変参考にしています。

場口個人の見解として、今回の新書は全体的にはここ十年でも特筆すべき、内容の優れた書籍であると考えています。
1998年頃までにパチンコの社会問題が世論を席巻し一段落した後、調査にコストがかかるためかマスコミでタブーとされ始めたのか、残念ながらパチンコ業界の問題に深く迫った報道、書籍は大変少なくなっています。
吉田氏の書籍は、氏が十年以上業界で活躍して蓄積してきた情報を元に、業界内でもタブーとされている「換金問題」「釘調整問題」などの動きを詳細に論じています。

ただし、カジノ法案の動きについては当方の認識とは大きく異なります。
吉田氏は「国際観光産業振興議員連盟」(超党派カジノ議連)の解説の際、同議連の幹部である民主党の牧義夫衆議院議員と自民党の岩屋毅衆議院議員について著書の中で「鳩山邦夫衆議院議員の秘書として、同じ釜の飯を食った仲である。」と位置付けています。
しかし、実際は岩屋氏が鳩山氏の秘書を退職した後に牧氏が秘書となったため、両者が同時期に同僚として鳩山氏に仕えた事実はありません。
吉田氏はさらにカジノに詳しい人物からの伝聞として、岩屋氏と牧氏とでカジノ合法化の後にパチンコの換金合法化がなされるシナリオが出来ているらしいとの情報も披露していますが、岩屋氏については若宮氏のところで述べたとおりパチンコの換金合法化には否定的と見るべきでしょう。
また、娯楽研が「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案・遊技新法)をまとめてパチンコ業界の規制緩和に動いていることは事実ですが、超党派カジノ議連ではパチンコについては議論の対象外です。
(詳しくはこちら 民主党 遊技業に関する法律案1 原案の概要とその背景

さらに、吉田氏も若宮氏と同様にカジノ法案の動きがパチンコの合法化につながると解説する文脈の中でPCSA政治分野アドバイザーについて取り上げていますが、これも参加議員の全てがパチンコ族議員とは言えないということは先に述べたとおりです。

他の内容が非常に良いだけに、超党派カジノ議連の動きについての主張の根拠が甘いことが目立ってしまいました。
また、一般人向けの新書ということもあるのか、パチンコ業界の問題について吉田氏としては踏み込みが甘いと感じられた部分も多かったことは、いささか残念でした。


二冊の重要な書籍が時期を同じくして発刊されたということはもちろん偶然でしょうが、どちらも大変好評とのことで、結果としてパチンコ業界の問題が世論の関心を集めていることが証明されました。
カジノ法案もいよいよ提出に向けて最終調整が始まっており、大きな波が感じられます。

次回は超党派カジノ議連の動向について取り上げます。
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ジャンル : 政治・経済

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