カジノとパチンコの論理学 2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案2

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2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案2

2010年12月16日、カジノ合法化を目指す「国際観光産業振興議員連盟」(超党派カジノ議連)の総会において、次期通常国会へのカジノ法案提出の表明が改めてなされ、いよいよ法案提出間近の情勢となってきました。
当ブログでは前回の記事で、カジノ合法化に関して現在までの経緯を述べるとともに、2011年の動向について予測しました。
(詳しくはこちら 2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案1

今回は、民主党や業界側がカジノ合法化と合わせて進めようとしている、「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案・遊技業法案)「日本遊技機型式検定機構」(検定機構・第二保通協)、その他の規制緩和の取り組みについて取り上げ今後の動向を予測します。


パチンコ法案の今後の予測

・警察庁から経済産業省への移管等の規制緩和が盛り込まれたパチンコ法案は、民主党は単独でカジノ法案と同時の国会提出を目指していますが、同時決着となるかは微妙な情勢です。
・社民党の連立復帰や公明党との連立組み替えなどで政権が安定した場合、パチンコ法案は2011年度予算案の成立後、あるいは次の臨時国会において民主党主導でカジノ法案と同時に成立するでしょう。
・政権の基盤が盤石になった場合は更なる規制緩和の為に、パチンコ法案に換金合法化の条文が盛り込まれ、パチンコホールの証券取引所上場が可能になります。
・パチンコ法案が提出できない場合は風営法の改正によって規制緩和が図られますが、国会への法案提出までに1年程度の時間が必要になります。
・内閣法制局長官の国会答弁を制限したため、国家公安委員長の答弁等で現行の風営法の解釈を変更し三店方式を合法とみなすことが可能となりましたが、世論の大きな反発を招くため実現は困難でしょう。
・パチンコ法案にも盛り込まれた遊技機の賭博性を審査する日本遊技機型式検定機構は、国会の情勢に関わらず11年1月から3月頃に認可されるでしょう。
・検定機構の認可から半年程度で試験体制が整うと、即座にパチスロの新機種の賭博性が急激に上昇し、パチンコは時間をかけて徐々に上昇します。
・パチンコ法案の成立あるいは検定機構の認可から1年程で、1日の最高換金額が100万円を超える、パチスロ爆裂機と同等あるいはそれ以上の賭博性を備えた遊技機が登場するでしょう。
・法案提出が見送られた場合でも今後1年以内に、菅政権あるいは民主党内部からパチンコホールの上場を認めるように、証券取引所へ圧力をかける動きが明らかになる可能性があります。
・ただし、カジノやパチンコの動きに報道等の注目が集まりパチンコを問題視する世論が形成されると、これらの動きは鈍くなります。



パチンコ法案の経緯

民主党は98年の結党翌年の99年に、議員連盟である「娯楽産業健全育成研究会」(娯楽研)を結成し、換金合法化などパチンコ業界の規制緩和に向けて活動してきました。

05年には、換金合法化を盛り込んだ「遊技場営業の規制及び業務の適正化等に関する法律」(旧パチンコ法案)を策定して、カジノ法案と同時に国会へ提出する方針を定めます。
しかし、小泉政権下の郵政民営化問題に伴う衆議院解散で大きく民主党議員の議席を減らしたことにより活動が再度停滞し、法案提出は見送られます。

その後、07年の安倍政権下の参議院選挙で民主党が勝利したことで活動が活発化し、09年の衆議院総選挙で圧勝し政権交代を果たしたことで民主党が国会での主導権を握ります。
10年6月に、今度は一部監督権限を警察庁から経済産業省に移管することを盛り込んだ「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案)をまとめ、国会での法案成立を目指しています。

「娯楽産業健全育成研究会」と「遊技業に関する法律案」については、当ブログの過去の記事で詳細に論じていますので、興味のある方は以下の記事などを参照してください。

民主党のパチンコ換金合法化1 娯楽研のメンバーの名簿と目的
民主党遊技業に関する法律案1 原案の概要とその背景
(※本ページ横の右メニューにも、多くの関連記事へのリンクがあります)


日本遊技機型式検定機構

10年のパチンコ法案において、経済産業省への監督権限の移転と並んで規制緩和の目玉として法案に盛り込まれたものが、遊技機の賭博性の性能を審査する「型式検定試験」の民間開放です。

型式検定は高い公益性が求められる性質のものであるため、本来は警察庁及び都道府県警などが自ら行うべき性質のものでありますが、遊技機の電子化によって高い専門性と多様な試験項目が求められ現在は他の団体に委託されています。
財団法人の「保安電子通信技術協会」(保通協)が型式検定を行う機関として唯一の指定を受けており、規制の穴だらけの風営法を補うため警察庁が影響力を保持しています。
従来よりパチンコ業界側は店の売上上昇に寄与する賭博性の高い遊技機を望んでおり、不正改造の蔓延や依存症の拡大を防止する目的でそのような遊技機を制限する警察庁とは型式検定を巡って対立してきました。

パチンコ法案と同時進行で準備が進められてきた「日本遊技機型式検定機構」(検定機構)は、第二保通協として型式検定の一部を担うことを目的として業界側が設立した機関です。
検定機構は保通協の独占の排除による試験料金の低価格化などを謳っていますが、型式検定から警察庁の影響力を低下させ遊技機の性能の自由化を進め賭博性を高める狙いもあります。

娯楽研が11年の通常国会での提出を目指している「遊技業に関する法律案」では、保通協から経済産業省傘下の法人に型式検定を移管する条文が盛り込まれており、検定機構の設立は法案と連動していると見るべきでしょう。
(詳しくはこちら 民主党遊技業に関する法律案6 日本遊技機型式検定機構の設立


規制緩和の選択肢

民主党娯楽研は政権交代から1年経過した現在をパチンコ法案提出の好機とみており、カジノ法案と合わせる形での新法の成立を狙っています。
しかし、民主党は10年夏の参議院選挙で惨敗し、院の過半数を割り込んだため10年末現在の政局は不安定な状態です。
さらに、パチンコ法案は民主党単独で進めてきたものでカジノ法案とは異なり超党派での合意がないため、この政局の煽りを受け提出されるか否か微妙な情勢となっています。
娯楽研はカジノ合法化後のパチンコの規制緩和は困難とみなしており今後もパチンコ法案提出を目指すことになりますが、仮に法案成立が困難であった場合でも次善策として以下の方法などで今後一年以内に業界の規制緩和を講じる可能性が高くなっています。

まず、現在のパチンコ法案が風営法からパチンコ関連の条文を抜き出して一部の文言を改変したものであるため、風営法を改正して規制緩和を達成する方法があります。
この場合、法案に盛り込まれた経済産業省へ権限を移管する件については実現が困難ですが、警察管轄下での規制緩和さらには換金合法化の条文を盛り込むことは可能です。
換金合法化が実現すると、換金の違法性がネックとなっていたパチンコホールの証券取引所への上場が可能となり、資金調達が容易となることでパチンコ店の新規出店が増加します。
ただし、風営法の改正には有識者が名を連ねた諮問会議の答申を得る事が慣例となっており、手続きには一定の時間が必要となります。

次に、新法を制定せず風営法の改正もない場合でも、条文解釈の変更で換金合法化やその他の規制緩和が図られる可能性があります。
警察庁では従来からパチンコの換金のための「三店方式」について合法か違法かという態度を曖昧にしてきましたが、これは業界側への社会問題解決への圧力とする狙いの他に、法務省や内閣法制局に対して合法と押し切ることが出来ない事情も要因となっていました。
07年の山田正彦氏の国会質疑ではこの問題を内閣法制局長官に直接ぶつけ、合法と認めるように強く迫りましたが、法制局は警察庁の判断する問題として言及を避けました。
09年に当時の民主党小沢幹事長により内閣法制局長官の国会答弁禁止の方針が打ち出されたことで、現在は法令解釈における法制局の影響力が大きく削がれており、これを利用して政治主導で換金合法化を打ち出す選択肢が可能になりました。
ただし、解釈変更による換金合法化は明確な根拠を伴うことが困難であるため、世論から大きな反発を受ける可能性が高く、思惑とは逆に後の規制強化につながるおそれがあります。

上述の風営法改正、風営法解釈の変更など規制緩和に向けた選択肢は複数ありますが、刑法の賭博罪との兼ね合いなどで議論がうまく進まない可能性をはらんでいます。
法的な問題がなく圧倒的に実現可能性が高いものは、やはり「日本遊技機型式検定機構」の指定検定機関認定にともなう遊技機の規制緩和となります。
現在は検定機関としての指定を受けるための申請を警察庁に受理された段階で、来年の上旬に認可の可否の結果が示される予定ですが、概ね認可される見通しです。
検定機構が試験機関として認可され保通協の独占が解消されると警察庁の型式検定への影響力が排除され、法令の抜け穴を突いた高い賭博性を備える機種の検定通過が常態化します。
全体として遊技機の賭博性は大幅に上昇してパチンコ業界の景気は上向く一方で、社会問題が急激に悪化することになります。



以上、2回に分けてカジノ法案とパチンコ法案の2つの動きについて2010年末の時点の予測として述べてきましたが、法案を審議する場である国会の政局は混乱を極めています。
次回は、今後の両法案に影響を及ぼす与野党の人物について取り上げます。
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テーマ : カジノとパチンコ
ジャンル : 政治・経済

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