カジノとパチンコの論理学 2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案1

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2011年通常国会のカジノ法案、パチンコ法案1

自民党が中心になって超党派で策定されたカジノ法案も、民主党が単独で策定したパチンコ法案も共に2010年までに大枠が定まり、いよいよ国会に提出される時期を見定める段階にまで進んでいます。

そのため、今回から2回にわたって来年2011年の通常国会以後カジノ法案・パチンコ法案がどのように推移していくか、当ブログとしての予測を立てていきます。
今回は第一弾としてカジノ法案についてこれまでの経緯を踏まえ、今後の動向さらに日本国内に設置されるカジノの特徴について予測します。


カジノ法案の今後の予測

・超党派議連のカジノ法案は、菅内閣の退陣がなく政局が安定すれば、2011年の予算が通過した後の4月から5月、あるいは11年秋の臨時国会に提出されるでしょう。
・関係する規定の策定や監視機関の設置、候補地の選定等の作業により、法案が国会を通過してからカジノの開設までに3年程度の時間が必要となります。
・カジノの設置数は国内総数2、3カ所で、都市部とリゾート地に1カ所づつ大規模な施設、3カ所目が認められる場合は温泉地に小規模な施設となるでしょう。
・3年程度の試行期間を経て、運営に問題がなく更なる需要の見込みがあれば、最大で10カ所程度に拡大します。
・カジノ単体の収益は最大の施設でも年間500億円を上回ることはなく、集客に伴う近隣地域への経済波及効果に重点を置いた開発になります。
・カジノの規制は、不正や脱税・依存症等の社会問題を防止するため厳格な制度となります。
・大阪など一部の地方公共団体で提唱されている特区によるカジノ構想は認められず、カジノ法案成立を見越した誘致活動に一本化されることになるでしょう。
・菅内閣の退陣など大きく政局が動いた場合は半年から1年程度予定が後ろにずれこみますが、合法化の動きが終息することはないでしょう。



これまでの経緯

カジノ合法化の議論は2010年、大きく進みました。

02年から活動を展開してきた自民党の「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」(自民党カジノ議連)は、当時の政府・与党内の議論を経て06年までに法律の基本的枠組みとしての基本方針をまとめました。
しかしそれ以降は相次ぐ首相交代により国会情勢が不安定となり、法案の国会提出時期の見通しが立たず議論が停滞します。

政権交代後半年以上経過した後の10年4月にようやく進展があり、民主党・自民党など主要政党を含む超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(超党派カジノ議連)が結成され、党派の枠を超えてカジノ合法化を進める合意がなされます。
超党派議連ではその後も通常国会会期中から複数の会合を通じて議論を重ね、8月に自民党の基本方針を土台として「特定複合観光施設区域整備法案※」(カジノ法案)の原案(古賀会長私案)を取りまとめ、早期の国会提出を図る合意がなされました。

※カジノ法案の正式名称は「国際競争力のある滞在型観光と地域経済の振興を実現するための特定複合観光施設区域整備法案」といいます。

カジノの解禁にあたっては沖縄振興特別措置法(沖縄特措法)や構造改革特別区域(構造改革特区)のもとで整備すべきとの議論もあります。
しかし、カジノという新たな賭博産業の解禁にあたっては強力な監視機能を持つ監督機関の新設が必須となり、上記の枠組みではそれが困難であるため新法の策定が必要となります。


法律制定後の動き

カジノの候補地は、2010年現在多くの地域が誘致を視野に活動を開始していますが、法律が国会を通過してから3年程度後に試験的に2、3カ所設置され、都市部・リゾート地・温泉地等とそれぞれ特色のある地域に配置されることになるでしょう。
その後更に3年程度後に制度の見直しが行われ、カジノ施設・近隣地域に悪影響がないと判断され更なる需要の見込みがあれば、全国で最大で10カ所程度まで拡大します。

候補地の選定にあたっては自治体の首長や議会の同意を前提として、まず誘致を目指す地方公共団体の策定した開発計画を国が審査しその内容が重視されますが、他にも国内全体でのバランス等も考慮されます。
当初の2、3カ所の設置においては試験的側面から都市型カジノやリゾート型カジノなどタイプ別にそれぞれ1カ所ずつの採用となり、さらに特定の地域に偏らないように配置されることになります。
仮に東京都の都市部が選定されると、開発計画の良し悪しに関わらず施設間の距離の問題で神奈川県での設置は困難になり、同じ都市型カジノという理由で大阪市内の設置も見送られることになるでしょう。


カジノ制度の特徴

カジノの合法化は観光産業の振興を主な目的としています。

これは、国内の違法カジノや韓国・ラスベガス・マカオなどの外国のカジノに流出している日本人客の需要を国内の新たなカジノが吸収し、さらに成長の著しい近隣のアジア各国からの大口の観光客をも国内に取り込む狙いがあります。
そのため、現在のパチンコ業界のように近隣住民が頻繁に施設に通う構造とは異なり、依存症対策も考慮して顧客登録にあたっての審査や高額の入場料・あるいはドレスコードなどの何らかの入場規制が行われる見込みです。

都市型カジノやリゾート地のカジノではカジノ施設本体よりも、宿泊施設や購買施設・飲食施設等への需要創出に重点が置かれ、カジノには周辺地域への集客効果が期待されています。
法案の名称に用いられた「特定複合観光施設」とは、複合型リゾート(IR)すなわち上述の各種施設のほかコンベンション施設(MICE)や劇場等を備えた施設あるいは施設群のことで、観光客が各施設間を回遊することで消費意欲を高める狙いがあります。
既存の観光施設へのダメージを最小化するため、来訪客数の低下に悩む温泉地等での設置にあたっては小規模のカジノ施設の開設のみで新規の宿泊施設・飲食施設等は建設されず、周辺地域の活性化が重視されることになります。

カジノに関する規制は不正や脱税・依存症などの問題を防止するため、厳格な制度となります。

日本国内で違法カジノが多く摘発されパチンコ業界でも不正改造や脱税が蔓延しているため、カジノの開設と同時に行政による監視機関が設立され、カジノ施設内外の常時監視はもちろん売上等各種情報のオンラインでの常時監視もなされます。
また、依存症対策として施設内や近隣地域における銀行ATM等の設置は禁止され、広報活動も海外の大口客向けのものを除き大幅に制限される制度設計がなされています。



カジノ法案についてのこれまでの経緯や内容についての詳細な議論は、今後のブログで扱っていく予定です。

次回は、2011年通常国会以降のパチンコ法案について予測します。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : カジノとパチンコ
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

No title

いつも貴重な情報ありがとうございます。
カジノ、パチンコ法案ともに国会提出も近付いてきているようですね。

場口様のブログで情報を得ないと、進行度合いは一般人には全く分かりません。
相変わらずテレビや雑誌等では一切報道されませんから、
いつの間にそこまで?という気持ちです。
パチンコ関連のニュースばかりを取り上げているサイトでも大まかな概要だけで、
ここまで詳しくは分かりません。

カジノは、主に海外からの客しかも富裕層向けのようですので、
私たち一般庶民にはあまり客側として関係なさそうですが、
(施設で、働く側としての雇用が生まれるのはいいですよね)
”そ知らぬ顔をして真横で着々と進行しているパチンコ法案”の行方がとても気になります。
これも場口様のブログあってのものです。まったくどこまで一般に対してクローズな分野なのでしょうか…。
次回のパチンコ法案の記事も楽しみにしています。

Re: No title

紅茶さま コメントを寄せて頂きありがとうございます。

それほど専門的なものではありませんが、
カジノとパチンコとを横断した議論はまだまだ少ないので、
一つの見方として参考にして頂ければ幸いです。

今回の記事は今後の論議を見据えて個人的に予測を立てたもので、
過去の議論を踏まえて現在の議連の方針とは異なる見解も敢えて入れています。

カジノの客層については国内からの一般参加も多くなりますが、
パチンコでいうヘビーユーザー・ミドルユーザーのように、
毎週のように訪問して遊ぶということは難しくなる可能性が高い
と考えて頂ければ良いかと思います。

ただし入場制限はカジノの国際競争に深刻な悪影響を与えるとの見方もあり、
治療や啓発を手厚くし制限は緩やかにすべきとの意見もあります。

パチンコ法案の記事については現在執筆中ですので、もう暫くお待ち下さい。
プロフィール

場口 重

Author:場口 重

新着記事
目次
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
月別アーカイブ
FC2カウンター
RSSフィード
目次
ホームへ戻る
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。