カジノとパチンコの論理学 民主党 遊技業に関する法律案3 業界内の反応の予測

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民主党 遊技業に関する法律案3 業界内の反応の予測

民主党「娯楽産業健全育成研究会」(娯楽研)、同「新時代娯楽産業健全育成プロジェクトチーム」(娯楽PT)はパチンコ産業の換金合法化を始めとして、規制緩和に向けて活動している団体です。
(詳しくはこちら 遊技業に関する法律案1 原案の概要とその背景
娯楽研は2010年6月に「遊技業に関する法律案」(パチンコ法案・遊技業法案)を取りまとめ、その中で賭博性に関する大幅な規制緩和を打ち出し、11年の通常国会に提出する方向で調整作業に入っています。
(詳しくはこちら 遊技業に関する法律案2 原案の内容と予測される効果

今回は、現在進行中で今後明らかになる見込みの業界団体側の反応について予測します。


予想される業界団体の反応(2010年10月現在・筆者まとめ)

・主要業界団体は法案に対して賛成と慎重姿勢に分かれ反対はないでしょう
・業界最大の全日遊連は60%の確率で慎重な態度を取るでしょう
 ただし、賛成に回る可能性も十分に残されています
・大手中心のPCSAは95%の確率で賛成の態度を取るでしょう
・社団法人の日遊協は90%の確率で慎重な態度を取るでしょう
・中堅中心の同友会は80%の確率で賛成の態度を取るでしょう
・独自路線の余暇進は60%の確率で賛成の態度を取るでしょう
・パチンコメーカーの日工組は90%の確率で慎重な態度を取るでしょう
 ただし、水面下では70%の確率で娯楽研に協力するでしょう
・パチスロメーカーの日電協は70%の確率で賛成の態度を取るでしょう
・このうち全日遊連・PCSA・日工組・日電協の姿勢が娯楽研に重視され、
 全日遊連の態度が鍵になるでしょう
・パチンコホール5団体で意見の集約を目指す動きも始まっており、
 そこでは70%の確率で賛成の態度でまとまるでしょう


法案の骨格を固めた娯楽研は現在パチンコ業界団体の意見の集約を待っている段階ですが、各団体の特徴や05年の意見聴取時などを参考にそれぞれの反応を予測すると以上のようになります。
以下、パチンコ業界内部で法案についての態度が分かれる原因について述べ、その後に各団体の法案への姿勢について論じていきます。


大手は賛成、中小は反対

パチンコホールの間ではでは以前の記事で述べたように、パチンコ法案に対しての是非が企業規模の大小によって大まかに分かれる傾向があります。
多くのチェーン店舗を抱えさらに拡大する意欲を持つ大手のチェーン店は、証券取引所に上場するためネックになっている風営法規制から脱却するため新法の制定を望む傾向にあります。
(詳しくはこちら パチンコの換金4 合法化の動き
これに対して、中小企業の場合はそもそも上場の意欲は無く、パチンコ業界の大きな動きがマスコミなどに取り上げられると業界の抱える負の問題にも注目が集まり業界の意に反して規制強化につながりかねないとの危機意識が強く、慎重意見をもつ経営者の割合が多くなります。
(詳しくはこちら パチンコの換金5 現状の維持
また、他業種の大企業による新規参入につながり競争が激化するのではとの声も多くあり、態度を硬化させる一因となっています。

つまり、大手チェーン店は上場を視野に遊技業法案に賛成の立場を取る傾向が高く、中小企業は現状維持の立場で法案に反対にまわる傾向が高くなります。


業況の悪化で賛成が強まる

05年の「遊技場営業の規制及び業務の適正化等に関する法律案」についてはまさにこの傾向を反映して一部の大手の団体を除き反対意見が主流でした。
(詳しくはこちら 民主党のパチンコ換金合法化4 パチンコ業法の内容
しかし、当時から五年経過した今回は与党第一党の民主党の提案であり実現性が高く、パチンコ業界でも業況が悪化して中小企業を中心に倒産企業が相次ぎ大手が相対的に勢力を増しています。
さらに、中小企業の中でも現状を打破する為に変革を求める声が日に日に強まっており、当時に比べると格段にパチンコ業界側の理解を得やすい環境にあります。


パチンコホール5団体とは

パチンコホール系主要団体は、次の5団体です。

・全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連) 都道府県別のパチンコ店協同組合の最上位団体
・パチンコ・チェーンストア協会(PCSA)      大手企業中心の団体、民主党との交流が多い
・日本遊技関連事業協会(日遊協)        業界体唯一の社団法人、警察庁の影響が強い
・日本遊技産業経営者同友会(同友会)     中堅企業中心の団体
・余暇環境整備推進協議会(余暇進)       独自のパチンコ業法を推進する団体


各団体にそれぞれ特徴はあるのですが、本題から逸れるためここでは省きます。
この中で上場を望んでいる団体はPCSAで05年の法案に唯一賛成し、今回の法案策定にあたっても重要な役割を演じてきました。


5団体連携の動き

娯楽研が05年にまとめたパチンコ法案に対しては娯楽研が説明会を開き業界側の意見を聴取しましたが、当時は民主党が野党であったため足元を見られPCSAを除いて軒並み非協力的で会員の意見収集すらしない団体が大半でした。
結局、法案発表直後に郵政解散が起こり石井一会長をはじめ落選議員が相次いだため法案提出はなされませんでした。
しかし、今回は民主党が与党第一党であり最長で三年間国政選挙がなく、仮に世論で反対論が起こっても押し切ることも可能な状況です。

前回は業界団体間で意見をまとめる調整作業すら行われずに各団体が三々五々に慎重姿勢を発言するのみでしたが、今回は10月12日に5団体代表者会議を開催するなど既に積極的な調整作業を始めています。
仮に法案について後ろ向きであれば意見調整すら必要でなく、今回は業界団体側も法案が成立する可能性が高いと睨み真剣に取り組んでいるということが分かります。
各団体が議論まとめるためのテーブルに着いたということで第一段階をクリアしており、次は業界の総意として賛成の方向でまとめられるか否かに焦点が移りますがその可能性は高いといえるでしょう。


パチンコホール5団体それぞれの対応

以下に各団体について順に見ていきましょう。

全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)はパチンコ業界最大の団体で、全国の地区別の単位組合(単組)、さらに都道府県別のパチンコホールの協同組合(都道府県遊協)を束ねる協同組合の中央団体です。
そのため傘下団体に中小企業の割合が高くなりその意見が尊重される傾向があり、慎重な態度を取る可能性が若干高いと思われます。
ただし、近年は業況の悪化により業界全体に危機感が広がっており、中小企業の倒産・大企業の店舗拡大の傾向もあるため、全日遊連内部の勢力が逆転して法案推進に傾く可能性も十分あります。
他の団体と同様に既に娯楽研から法案の提示を受けていますが、9月の理事会ではこの件について議論を避けていました。
上述のようにホール5団体の枠組みといった外部からの圧力もあり内部での意見も大きく割れる見込みで、全日遊連が慎重姿勢を取るか賛成に回るかは現状では微妙な状況です。

パチンコ・チェーンストア協会(PCSA)は大手パチンコチェーン店が加入する団体で、娯楽研との交流が最も多い団体です。
今回の娯楽研の遊技業法案もPCSAの意向を踏まえた可能性が高く、法案に反対する理由もないため当然賛同に回るでしょう。
PCSAは換金合法化を強く訴えているため、法案にさらなる規制緩和の条項や換金合法化を盛り込むよう要請する可能性があります。

日本遊技関連事業協会(日遊協)はパチンコ業界唯一の社団法人として警察庁から業界団体の代表とみなされ、自らも警察庁とのパイプ役を自任するなどホール関連団体としては警察庁の影響の最も大きい団体です。
警察庁はパチンコ業界の所管を経済産業省に移管する趣旨の本法案に賛同する見込みは低いため、日遊協は法案に慎重な立場を示すでしょう。
既に9月の理事会後の記者会見でパチンコ業法推進とは逆の「風適法遵守」の姿勢を明確に示しており、今後もこの方針を転換する可能性は低いと思われます。
(※「風適法」とは現行のパチンコ規制を定める「風営法」のこと)
ただし、パチンコホール主要5団体間で意見調整する動きがありそこでは賛成の方向でまとまる公算が高く、今後は日遊協の影響力低下を懸念して慎重姿勢を強くを打ち出せない可能性があります。

日本遊技産業経営者同友会(同友会)は中規模パチンコホール企業等が中心の団体です。
同友会は法案には05年の法案の際には「賛同できない」としてを物議をかもしましたが、業況悪化を鑑みて今回は賛成に回る見込みです。
9月には同友会代表を座長とした特別委員会を設置し、遊技業法案の内容に対して既に同友会としての意見をまとめています。
その後、パチンコホール5団体で意見の集約を目指すべきとの表明し、慎重な全日遊連や日遊協に対して側面から後押しをしています。

余暇環境整備推進協議会(余暇進)は独自にパチンコ業法を研究し、制定を訴えてきた団体です。
前回は娯楽研の説明を受けた後の検討結果を示す会合を欠席して消極的姿勢を露わにしていましたが、今回は5団体代表者会議に参加しています。
そのため賛成する可能性が若干高い見通しですが、独自路線を貫き民主党案に乗らない可能性もあります。


パチンコ・パチスロメーカーの主要組合

日本遊技機工業組合(日工組)はパチンコ台製造全メーカーの組合で、警察庁との関係が極めて良好な団体の一つです。
そのため、表面上は日工組は法案に慎重な態度を取るとみられますが、規制緩和を見越して水面下で娯楽研に協力する可能性が高いでしょう。

日本電動式遊技機工業協同組合(日電協)はパチスロメーカーの有力な団体で、日工組とは対照的に高い賭博性のパチスロ台を製造して社会問題化するなどしばしば警察庁の突き上げを受けてきた団体です。
爆裂機問題に関連して04年に規制強化された風営法規則の影響を大きく受けてきたこともあり、法案に賛成する可能性が高いでしょう。


業界団体の反応―まとめ

以上、大まかに見てきたとおりパチンコホール、メーカー系の主要団体では賛成か慎重な姿勢を取り、明確に反対する団体はないとみられれます。
パチンコホール系5団体の内で影響力の大きな団体は全日遊連とPCSAで、娯楽研にとって業界の要請を得るという名目を掲げるには全日遊連の賛同を得ることが重要になりますが、こちらは現状では賛否ともにあり得る状況です。

政権与党の民主党として娯楽研が法案成立の道筋を全日遊連に示すことが出来れば賛同に傾く可能性があり、遊技業法案は業界の後押しを受けて大きく前進することになります。
一方、今後の世論や報道が批判に傾き法案成立のハードルが上がった場合、賛成の可能性の比較的低い団体から慎重姿勢が増える見込みで、さらには反対の姿勢を打ち出す団体が現れる可能性もあります。

現状では娯楽研に対して業界団体から強硬な反対論が出る可能性が低いため、法案の制定手続きに大きな支障はないでしょう。


次回は、「遊技業に関する法律案」について、官僚機構・マスコミ・世論の反応について予測します。
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