カジノとパチンコの論理学 シンガポールのカジノ合法化と日本に与える影響

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シンガポールのカジノ合法化と日本に与える影響

先日の10年2月14日、シンガポール政府が進めていたカジノ構想の第一弾として、セントローサ島に同国初のカジノが開業しました。

近年注目を集めていたマカオとは異なり同国のカジノは抑制的に設計されており、あくまで「統合リゾート」の中の一施設として位置づけられています。
統合リゾートとは、各種イベントに対応できる大規模コンベンション施設、ショッピングモール、テーマパーク、美術館や劇場等を集約し、訪問する観光客数に対応できるホテル、レストランを配置するものです。
統合リゾートでは特色ある施設群を一定区域に集中させることにより、イベントを目当てに訪れた観光客がカジノに寄ってショッピングを楽しむなど、訪問客が施設間を複雑に回遊することで客単価が上昇する傾向があります。
カジノはあくまで注目を高めて集客に貢献するためのツールで規模は大きくなく、カジノ中心の街づくりというよりは構成要素の一つにすぎません。

シンガポールのカジノで特徴は上述のリゾートコンセプトの他に、業者選定過程と周辺の地域開発にも表れています。
そこでは、海外からの資本を徹底的に利用し、国内の資本の流出を抑える工夫がなされています。

政府は2か所の区域を定め、各区域の統合リゾート全体を一つの入札の案件として位置づけることで、コンベンション施設や美術館等の公共施設の開発費用をカジノ開発業者に負担させることにしました。
さらに、地域住民のカジノ参加を抑制して依存症の患者数を減少させるために、地域住民のカジノ入場料を高額に設定し、国内向けの広告を制限し、施設内ATMの設置を禁止しています。
外国人観光客や高額の賭け金を費やす国内VIP会員に対しては入場料は徴収されないため、主にこの層の顧客に対してのプロモーションが展開されることになります。

シンガポールは煙草のポイ捨てにも罰金刑を科すほど社会規範の厳しい国であり、同国がカジノの解禁に踏み切ったことは日本のカジノ合法化の流れに拍車をかける可能性は十分考えられます。
最近大阪でのカジノ構想を提案して話題となっている橋下知事も訪れていましたが、国会でも08年に自民党カジノ議連と民主党娯楽研のメンバーが合同でシンガポールへ視察に訪れています。
自民党カジノ議連の構想においても、シンガポールと同様にカジノ施行主体に周辺開発を義務付け投資リスクも業者側に負担させる方向で、場内ATMの禁止や国内向けの広告制限なども明記されています。

ラスベガスやマカオといった多数のカジノが乱立する状況は日本のカジノ構想では検討対象外であり、日本の主に大都市近郊などで想定されている統合リゾート型のカジノがシンガポールで開始したことで、国内の議論の活性化に寄与することが期待されています。

(※参考 梅澤忠雄 美原融 宮田修編著「ニッポンカジノ&メガリゾート革命 国際観光立国宣言」
美原融『カジノを含む統合リゾート方式による地域開発戦略―シンガポールの事例―』)
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