カジノとパチンコの論理学 カジノの歴史3 賭博に巣くうマフィア

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カジノの歴史3 賭博に巣くうマフィア

前々回前回にわたって上流階級のカジノと、労働者階級の賭博場とを対比して見てきました。
今回はカジノに巣くうマフィアについて取り上げます。

賭博産業は金融業と同様に莫大な現金を扱います。
賭博では偶然の介在する勝敗の結果によって多額の現金が移動するため、胴元の順法意識が低いと、勝敗結果を胴元に有利な結果に偽装して客から金銭を巻き上げる不正が見られるようになります。
さらに、この金の流れは複雑で領収書が発行されない部分があるため、これに目を付けた経営者が流れる金の一部を記録から外して懐に入れ、横領や脱税が横行するようになります。

競馬などの公営競技や宝くじ(「クラスⅡ」或いは「パリ・ミュチュエル方式」と呼ばれます)では、一回ごとの競争に厳格な監視体制を設け、また衆人環視の場で競争を行うことが勝敗における不正への抑止力となっています。
さらに、勝負前に当選金の配分が公表されており、金の流れもくじ売場と払戻場の2か所を監視するだけで良いため、ここを政府がチェックすることで不正が起こりにくい構造となっています。

しかし、カジノやパチンコなどの賭博(「クラスⅢ」と呼ばれます)では、個々のテーブルや台において金銭の得失を決める勝負が無数に行われます。
また、客が一度投入した金(チップ、玉)が何度も同じ場所を循環するため、金の流れが大変複雑なものとなります。
さらに、チップや玉は店内を循環するだけであり、飲食店であればおしぼりの本数であるとか販売店であれば取扱商品の数といった金の流れに直接紐付いたものが存在しません。
そのため、税務当局が資金の流れを調査しても不正を指摘することが困難であり、脱税が横行することになります。
賭博に対しては、政府内に賭博専門の監視・取締機関を設け、外部から厳格な監視体制を引かない限り不正や脱税などを防止することは出来ないのです。

マフィアはカジノが禁止されている地域では、非合法カジノの経営に携わり収益を直接手にしていました。
合法化されている地域では、マフィアはカジノのこの資金の不明瞭性に目を付けて経営に密かに参加して収益を横取りし、さらにマネーロンダリング(資金洗浄)にも利用しました。

その顕著な例として、アメリカのイタリア系マフィアの組織である「ラ・コーザ・ノストラ」は主な収益活動の一つとしてカジノに積極的に参画していました。
実際に、ニューヨークを拠点に戦前から戦後にかけて活動していたマフィアであったチャールズ・ルチアーノ、フランク・コステロ、メイヤー・ランスキらは賭博を通して影響力を拡大します。
彼らは非合法下のニューヨークで賭博機の利権を確立し、戦後は賭博が合法であるネバダ州のラスベガスで大規模カジノを開業したことにより莫大な資金を手中に収めました。
これにより、ラ・コーザ・ノストラでの発言力が増大し、やがて彼らは全米マフィアの頭目となるのです。

以上に見てきたように、資金の流れの不明瞭な賭博場は客に不利益を与えるにとどまらず、マフィアなどの組織悪の介入を誘い、その拡大に寄与することになります。

(※参考 谷岡一郎「ラスベガス物語」)

次回は、禁止から管理へと姿勢を変えたイギリスについて取り上げます。
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