カジノとパチンコの論理学 2010年08月

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2010年参院選後のカジノ法案・パチンコ法案2

前回の記事の続きとして、今回は2010年参議院選挙後のカジノ法案・パチンコ法案の今後の見通しを予測します。
今回はカジノ法案について論じていきます。
前回のパチンコ法案についての予測と密接に絡んでいますので、合わせてご参照頂くとより理解が深まると思います。
(前回の記事はこちら 2010年参院選後のカジノ法案・パチンコ法案1

・今後、自民党カジノ議連が作成した基本方針をベースにしたカジノ法案が超党派で国会に提出されて、カジノが解禁される可能性が高いでしょう。
・国会への法案提出は最短で来年の通常国会で来年秋の臨時国会以降が有力、法律の制定から3年程度で日本初のカジノが解禁されることになるでしょう。
・ただし、超党派議連内部でパチンコの換金合法化を同時に達成したい古賀一成会長(民主党)と、これに反対の岩屋毅会長代行(自民党)との間で綱引きがあり、現在は岩屋氏が優勢ですが予断を許しません。
・パチンコ法案が同時に制定される場合は、パチンコ業界との整合性の為カジノ法案の規定が緩められることになるでしょう。
・法案が進められるには民主党幹部・政調会の同意が必要なため、民主党内の混乱が収束するまでは進みません。
・ねじれ国会の状況がカジノ法案を前進・後退させる要素の両方を備えており、法案の進展に影響を及ぼすでしょう。

・カジノ法案に関しては参院選前と同様に今後成立の可能性が高いですが、依然として不安要素を抱えています。


それでは詳しく見てみましょう。


自民党「国際観光産業としてのカジノを考える議員連盟」(自民党カジノ議連)と同党政務調査会傘下の「カジノ・エンターテインメント検討小委員会」(自民党カジノ小委)を通じて、カジノ合法化の論点を詰めてきました。
(カジノ小委が06年にまとめた「カジノ法案の基本方針」は自民党HPで公開されています。)
2010年4月に発足した「国際観光産業振興議員連盟」(超党派カジノ議連)は政権交代の煽りを受けて民主党の古賀一成衆議院議員を会長としましたが、04年から超党派議連結成に向けて中心的な役割を担ってきたのは会長代行に就任した自民党の岩屋毅衆議院議員です。

超党派カジノ議連のカジノ法案も自民党がまとめたカジノ法案をベースに作られています。
議連には民主党・自民党・公明党・国民新党・みんなの党・新党大地の各党所属の有力議員が名を連ねていますので、法案の詰めの調整がまとまり国会に提出されると成立することになります。
超党派議連は先の通常国会の会期期間中から既に勉強会を重ねており、参議院選挙の為に一時中断されましたが秋の臨時国会の期間中にも勉強会を再開する予定になっていました。
カジノ法案の提出時期は最短で民主党の混乱が収束した後となるため、来年3月の予算成立以降の政権が軌道に乗った後、11年秋の臨時国会以降が有力でしょう。
法案が成立しますと、法律を具体化する規則や政令の制定やカジノ監視機関の設立、候補地の地方自治体の準備、カジノ運営業者や納入業者の選定などの手続きを経て概ね3年程度で日本初のカジノが誕生することになります。


そのため、調整の議論の行方と提出時期に焦点が当てられることになりますが、ここにはまだ不安要素が残っています。
不安材料として予想される要素は以下の三点です。


第1に、前回でも触れましたが超党派議連の母体となっている民主党側の議員連盟である「娯楽産業健全育成研究会」(娯楽研)、と民主党政調会傘下の「新時代娯楽産業健全育成プロジェクトチーム」(娯楽PT)はパチンコ法案を作成するなどパチンコ業界の規制緩和を目的としたものであったため、超党派議連のカジノ法案の進捗がパチンコ法案の議論の影響を強く受ける可能性があります。
超党派カジノ議連の会長で娯楽研の会長でもある古賀氏は、娯楽研がパチンコ法案をまとめた当初からカジノ法案とパチンコ法案の同時決着を強く訴えてきた議員です。
また、超党派議連は昨年の衆議院議員選挙結果の影響を受けて民主党衆議院議員が大半を占めており、民主党が会長と幹事長など主要ポストをおさえています。
一方、岩屋氏が中心となってまとめた自民党側のカジノ法案の要綱はカジノ施行にあたって不正・脱税・依存症などの社会問題防止のために大変厳格な法案設計となっています。
自民党カジノ議連では従来よりパチンコの規制緩和には慎重な立場を取っており、岩屋氏をはじめ議連の中心メンバーの間ではパチンコを正式にギャンブルとして位置づけて規制強化やパチンコ税の創設を唱える声があがっています。
そのため、パチンコ業界の規制緩和を目指す娯楽研のパチンコ法案と整合させることは困難であり、カジノ法案の提出時期が大幅に遅れる可能性も高く、さらにカジノ規定を大幅に緩和しパチンコ業法との整合性を図ることも考えられます。
その場合は当然のことながら、社会問題に対するリスクが増大します。

第2に、鳩山政権の退陣と今回の参議院選の大敗など民主党の混乱が法案に悪影響を与える可能性があります。
09年の衆議院選挙前から自民・民主の間で選挙後速やかに超党派議連を発足させる合意があったのですが、民主党内部の政策決定手順が固まらなかったため超党派議連の発足が遅れた経緯があります。
菅政権では小沢前幹事長下で廃止された政務調査会が復活し政策提言をする運びになっていますが政府側や小沢氏に近いグループの異論もあり、さらに政策決定の手順が明確に定まっておらずこれが固まるまで法案が進められる可能性はないでしょう。
また、菅氏や仙石幹事長など政権・党幹部の合意を取りなおす必要もあり、カジノ法案を先行させる見通しでは合意が下りない可能性も十分あります。
政権発足当初は安全運転の為にギャンブルの合法化であるカジノ法案を見送ろうとした自民党政権下の事例があり、菅政権も同様と考えらます。
9月の民主党代表選で代表が入れ替わる、あるいは政界再編が起こるといった予測もあり、民主党の混乱が収束し一定の時間が経過するまでは進展はないと考えるべきでしょう。

第3に、ねじれ国会の影響で法案が進まない可能性があります。
前述したとおり自民党政権下でカジノ法案が思うように進展しなかったのは、相次ぐ首相交代とねじれ国会の影響で政権が安全運転に終始したことに主な原因があります。
現在の国会は与党が衆議院の3分の2を確保できず当時より深刻なねじれが生じており、より深刻な状況であることは言うまでもありません。
一番懸念されることは、上述したとおりカジノ法案とパチンコ法案が政局の煽りを受けて制度設計を歪められることであり、世論や国会で感情的な議論が巻き起こると両法案とも完全に芽を摘まれる恐れもあります。
カジノ法案の議論を主導してきた岩屋氏が超党派議連の設立を引っ張ってきたのは、自民党の独断でカジノ法案を進めることを避けて超党派で進めることで国民の理解を高める狙いがありました。
ただし、ねじれ国会は一方でカジノ法案を進展させる可能性も秘めており、国民的な理解が進めば民主党現執行部が提唱するパーシャル連合で法案制定まで出来る可能性もあります。


カジノ法案はパチンコ法案と対照的に近いうちに成立する可能性が高い状態といえます。
ただし、依然として成立には障害があり、それはパチンコ法案です。

当ブログは、今後もカジノ・パチンコ法案について注目していきます。
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